『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』ブラックって?
ネット上の電子掲示板『2ちゃんねる』に
たてられたスレッドを書籍化した
『ブラック会社に勤めてるんだが、
もう俺は限界かもしれない』。
『ブラック企業』『ブラック会社』という言葉を
世に定着させた本と言ってもいいでしょう。
この作品ではニートだった青年が、
一念発起しブラック会社に勤めて、
苦労をしながら一人前の
大人になっていく過程が綴られている。
『ブラック企業』を摘発するというよりは、
一つひとつ困難を乗り越えていく、
青春冒険活劇のような爽快感がある。
最近やたらと『ブラック企業』という言葉を耳にする。
そもそもそれを言ったら、
どんな仕事にもブラックの要素は必ずあるもの。
よくわからないのは、
ブラック企業と知りながらなぜ働くのか、ということ。
鬱になる前にSOSはだせなかったのか?
なんで自殺する前に会社を辞めなかったのか?
そんなにしがらみがあるのか?
そもそも『ブラック企業』はなぜブラック経営をするのか?
まっとうな経営ができないくらい、世の中は腐敗してるのか?
過労死の裁判のニュースを聞くたび、
「企業が悪い」というレベルだけでは
片付かない問題ではないかと感じてしまう。
以前、ブラック企業として有名な会社に
勤める人の話を聞くことがあった。
周りの人からそんな会社に
勤めていて大丈夫なのかと、
やはり聞かれるらしいが、
本人は「自分には実感がないから大丈夫」とのこと。
あまりの問題意識のなさに呆れてしまった。
要するに『ブラック企業』に勤める人は
『ブラック社員』でもある可能性が疑わしい。
一般的な考えとしては、
ブラック問題を起こした企業の
サービスや製品にはお金を払いたくないもの。
そんな会社とは関わらないようにするのが普通。
社員も大切に出来ないのだから
客なんて大切にしてくれるわけがない。
目先の儲けばかりが気になっているのでしょう。
まっとうにお金を稼ごうとしないのが
普通となった世の中なら、
そんな社会の方が問題なのだと思えてならない。
企業や個人レベルの話をしていても、
いつまでたっても『ブラック問題』の
ニュースは後をたたない。
きっと問題はもっと大きなところにある。
関連記事
-
-
『パンダコパンダ』自由と孤独を越えて
子どもたちが突然観たいと言い出した宮崎駿監督の過去作品『パンダコパンダ』。ジブリアニメが好きなウチの
-
-
『ブレードランナー』 その映画が好きな理由
『ブレードランナー』、 パート2の制作も最近決まった カルト中のカルトムービーのSF映画
-
-
『チェンソーマン』 サブカル永劫回帰で見えたもの
マンガ『チェンソーマン』は、映画好きにはグッとくる内容だとは以前から聞いていた。絵柄からして
-
-
『プリズナーズ』他人の不幸は蜜の味
なんだかスゴイ映画だったゾ! 昨年『ブレードランナー2049』を発表したカナダ出身のドゥニ・ヴ
-
-
『裏切りのサーカス』 いちゃいちゃホモソーシャルの言い訳
映画『裏切りのサーカス』が面白いという勧めを知人から受けて、ずっと気になっていた。やっと観る
-
-
『ひとりでしにたい』 面倒なことに蓋をしない
カレー沢薫さん原作のマンガ『ひとりでしにたい』は、ネットでよく読んでいた。そもそもカレー沢薫
-
-
『猿の惑星: 創世記』淘汰されるべきは人間
『猿の惑星:創世記』。 もうじき日本でも本作の続編にあたる 『猿の惑星:新世
-
-
映画化までの長い道のり『のぼうの城』
鳥取市のマスコットキャラクター 『かつ江(渇え)さん』が批判を受けて非公開にな
-
-
『バンカー・パレス・ホテル』 ホントは似てる?日仏文化
ダメよ~、ダメダメ。 日本エレキテル連合という 女性二人の芸人さんがいます。 白塗
-
-
『ボヘミアン・ラプソディ』 共感性と流行と
昨年はロックバンド・クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットが社会現象となった
