『銀河鉄道999』 永遠の命と拝金主義

『銀河鉄道999』は自分が小学生低学年の頃、
社会現象になるくらいの人気があった。
今の自分を作っている土台は
この作品にあると言っても良い。
松本零士さんの『宇宙戦艦ヤマト』のヒットで、
戦艦の次は列車で宇宙旅行モノということである。
とにかくこの『999』、派生作品が多すぎて、
今ではもう追いかけることも不可能に近いけれど、
自分は、りんたろう監督作品の
この映画版がいちばん好きです。
原作連載やテレビ版放送もまだ続いている中、
旅の終着駅まで観せてくれるのだから期待大でした。
自分が後に映画好きになっていったのは、
マンガは完結するまで長いのにも関わらず、
映画は大抵2時間くらいで物語が完結する。
そのあとくされなさが気に入ったのでしょう。
結局子どもの頃、100回は繰り返し観ていました。
未だにセリフを憶えているくらい。
完全に刷り込まれています。
主人公のデザインが
原作よりもハンサムになっているのも良かった。
やはり主人公はそれなりにカッコ良くないとね。
物語もものすごく教訓めいていて、
暴力描写や性描写もあるのだけれど、
なにか道徳や哲学がある。
物語として深いことをやろうとしてるんですね。
作品で描かれる世界では、格差社会が進み、
金持ちは自分の体を機械化して、
永遠の命を手に入れている。
主人公は貧しいスラム出身。
もちろん機械化などしていない。
金持ちから差別の対象とされ、
機械化人間に母親を殺されている。
銀河鉄道999の終着駅は、
タダで機械の体にしてくれる星ということで
主人公は999に乗って宇宙旅行へ旅立つ。
幼かった自分がはじめて出会った冒険活劇。
機械化人間は拝金主義社のメタファー。
拝金主義にのめり込むと、
人は他人の心に麻痺したサイコパスに陥る。
差別も生まれる。
主人公は旅の途中、様々な出会いのもと、
機械化(拝金)への空虚さを知る。
そして人は限りある命だからこそ
一生懸命生きるべきだと確信する訳です。
機械化が実は、人の心を悲しくさせる原因ならば
そんな世界を破壊してしまおうと言うところに、
物語としてのカタルシスがあるのです。
現代社会、機械化人間こそはいなくとも、
本作の示す社会情勢の未来予言は、
悲しいかな相当マトを得ているのです。
文明こそは行きつく所まできた現代社会。
人の心がなおざりになる閉塞感。
この作品は今観ても面白かった。
日本は今、目先の金のことや進みすぎたITの進化で
どんどん機械化人間への道をたどっていますね。
生身の体、心をもっと尊重しないとね。
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