先日『となりのトトロ』がまたテレビで放映してました。
ウチの子ども達も一瞬にして夢中になりました。

今でこそ、このトトロも、
キャラクターが独り立ちするくらいの
メジャー作品ですが、制作当時、
よくこんな地味な企画が
通ったものだと感心してしまいます。

この作品が発表された1988年は
『AKIRA』や『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』など、
いまだに観続けられている作品が多発した年です。

しかし当時、日本産のアニメと言えば、
海外か架空の世界が舞台の作品ばかり。
日本が舞台だったり、ましてや昭和30年代など、
制作側がぜったい見向きもしないテーマでした。

ましてや当時は、アニメブームも終わり、
日本人が日本の映画をまったく観ない時代でした。
「日本映画はつまらない」と言われた時代です。

今でこそ老若男女が認める本作。
子どもは楽しく、大人は懐かしく切ない。
アニメ業界だけでなく、
日本映画を代表する作品となりました。

宮崎駿監督の企画は泥臭く見えたでしょう。
実はこういった足下を描いていくスタンスは、
先見性があったということを
理解できる人は少なかったはずです。

制作者側の「これはつくらなくてはいけない作品だ」と、
思い込みであっても自分の作品を信じて突き進む。
それが徐々に周囲の人を動かしていく。

この作品、観客動員の興行収入ではコケています。
しかしテレビ放送で人気を得て、
現在の地位までのし上がっています。

良作はいずれは人に受け入れられるのです。

ただ、認められるには人の目に触れる場所は
作っていかなければなりません。

自分の作品を信じて突き進む、
そんな制作者側の情熱が、
いまは少なくなってしまったのかも知れません。

そして、やはり今でも名作と言われる作品は、
正しい情熱が正しい方向で注がれていると感じます。