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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』映画監督がアイドルになるとき

公開日: : 最終更新日:2019/06/10 映画:カ行, 音楽

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督ジェームズ・ガンが、内定していたシリーズ次回作『Guardians of the Galaxy vol.3』を解雇された。なんでも過去のトンがったツイートが拡散されたかららしい。けれどもガン監督はその件についてはすでに謝罪済みだし、その件は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』一作目の監督に就任される以前のことらしい。

ジェームズ・ガン監督は、反トランプ政権の発言をしてたので、ネトウヨに目をつけられたとか。ディズニー側は、スキャンダルを恐れて早急にガン監督の解雇で、自社の潔白を表明しようとしたのだろう。もともとディズニーも右側の企業だし、そうなるだろうと思う。大企業は理不尽なものだ。

でもジェームズ・ガン監督はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に多大な貢献をしている。ガン監督のサブカル的センスの良さで、明るく楽しいクールなMCUの作風が定着した。

『キャプテン・アメリカ』シリーズから『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』の監督に抜擢されたルッソ兄弟が、圧倒的なカッコいいアクション演出を確立したなら、ガン監督はMCUのオシャレ度アップに貢献した。この両監督の登場以降から、MCU作品の人気は不動のものとなった。

MCUは映画を量産的に制作する方法に成功した。同じ世界観を複数の作品で連続して展開する。もちろんいちげんさんがMCUなんか知らずにひょろっとどれかの作品を観たとしても、単品でも観れるような工夫もされている。鉄は早いうちに打てではないが、次から次へと新作を発表させていく。新進気鋭の無名監督を起用することになる。企業からすれば新人監督でギャラを安く済ませたいし、監督側からすれば頭角を表すチャンスだ。まさにウィンウィン。

ジェームズ・ガンやルッソ兄弟のようなMCU貢献者は、どんどん前に立たせてシリーズの成功をアピールするディズニーの戦略。ブルーレイには監督自らのイントロダクション付き。ジェームズ・ガンなんかは、映画のキャラクターのようなフィギュアまで作られてしまう始末。ガン監督は謂わば「サブカルのアニキ」みたいなアイコン化させられている。

アイドル化した映画監督ジェームズ・ガンは、監督としての魂にもブレはない。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の原題は『Guardians of the Galaxy Vol.2』。日本では、観客に続編という印象を与えると興行的に失敗するという理由で『Vol.2』が『リミックス』に変更された。でも映画は続編として、設定やキャラクター紹介はすっ飛ばして進んでいく。観たら誰だって続編だとすぐ分かる。騙して客を引こうとするなんて、ちょっとした詐欺。

ガン監督は日本の配給会社に「製作意図と違ってしまうので、原題どおりにして欲しい」と直談判したのだが、どうやら無下にされたらしい。自分だったら、パート2が作られたならパート1はさぞ面白いんだろなと、遡って観てみるだろう。宣伝方法にも工夫ひとつでいくらでも成功する。要は日本の大手企業はひとつひとつの仕事に、丁寧に向き合う余裕がないだけなのだ。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』オープニングのベビーグルートのダンスシーンのキャプチャーは、ジェームズ・ガンが監督自らが演じてる。ベビーグルートの動きはガン監督そのもの。もしこのままガン監督が降板したら、魅力的なグルートの動きから、作風すべてにおいて別モノになってしまう。

SNSでは、ジェームズ・ガンの監督復帰の嘆願署名がされている。ディズニー側は、「監督の代わりはいくらでもいる」とでも思っているのだろうが、映画ファンの多くは、監督で観る作品を選んだりしているものだ。自分もジェームズ・ガンのシリーズ監督続投を願うファンのひとりだ。

現在準備中の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の第三作目は、邦題も含めてどうなることやらまったく見えなくなってしまった。

今回の騒動は、ジェームズ・ガン監督の政治的発言が発端だ。「映画や音楽に政治を持ち込むな!」と言う人もいる。 そもそもサブカルチャーはカウンターカルチャー。反骨精神や反体制的な表現だ。おもしろおかしいだけの子ども騙しだけにとどまらず、作り手の思想も見え隠れするからこそ魅力があるもの。数年経ってその頃の時代の空気を伝える歴史的記録にもなるだろう。

ジェームズ・ガン解雇騒動は、世界的に右傾化している現代だからこそ起こったことだ。ある意味、映画史に残る事件なのかもしれない。映画キャストからも監督復帰嘆願がでたらしい。これを受けてディズニーがどう判断するか。まだまだ今後の動向に注目だ。

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