*

『レオン』 美少女は殺し屋も殺す

公開日: : 最終更新日:2021/09/04 映画:ラ行

リュック・ベッソン監督作品、ジャン・レノ主演のフランス映画のスタッフ・キャストがハリウッド進出したアクション映画『レオン』。自分もこの映画は大好きで、100回は観てると思う。この映画は一人の孤独な中年殺し屋が主人公。ふとしたきっかけでローティーンの少女と生活を共にすることとなる。親子とも恋人ともいえぬ微妙な危うい関係が物語の横軸。この映画でナタリー・ポートマンがデビューしている。ベッソンの目に止まり、ナタリー自身はそれほど女優業に憧れていなかったにも関わらず、口説き落としたらしい。このマチルダという少女の役のオーディションの最終選考にはリブ・タイラーも残っていたらしい。当時ハイティーンだったリブ・タイラー。監督の意図するのはもっと幼い少女のイメージで、泣く泣く落としたらしい。

フランスと日本のカルチャーの趣味は似ている。ロリコン嗜好のおやじが多いのも特徴。40過ぎのおっさんが必死で12歳の少女を口説いたりするフランスがあれば、アイドルやら萌えアニメに夢中になるおっさんの姿も遠からず。まあ少しでも若い相手と一緒になったほうが、自分の子孫を多く残してくれるだろうという野生の本能がそうさせているのだろう。

この映画『レオン』のアクションシーンは最高にカッコいい。なんでもリュック・ベッソンの前作『ニキータ』でジャン・レノが演じた『掃除人ヴィクトル』というキャラクターを、ベッソンとジャン・レノが気に入り、ヴィクトルを主役に映画を作れないかと企画が浮かび上がった。ヴィクトルは完全な殺し屋なので達観しきっていてもう成長しない。ドラマが生まれないので映画にはなりづらい。ならば幼稚なレオンというキャラクターと、大人っぽいマチルダという少女の関係がアイディアに生まれ、この映画にいきついた。

大人っぽい美少女というのは、オヤジキラーとしていつの世にも存在してる。『レオン』のナタリー・ポートマンも然り、最近の日本では広瀬すずさんや二階堂ふみさんなんか完全にオヤジキラー系美少女。きっと本人は奔放だったり気丈な性格なのだろうが、どうしても清純派として売り込む。そうしないと日本では売れない。制服に閉じ込めて征服しようとするおやじ心理の象徴。それを知ってて演じきる少女たちのしたたかさ。メンタルの弱いおやじの2倍も3倍も上手をいく少女たちは、やはり凄腕の殺し屋も殺してしまうほどの手だれなのだろう。これは確信犯のハニートラップだ。まあ仕掛け人は同じおっさんなのだが。

関連記事

『LAMB ラム』 愛情ってなんだ?

なんとも不穏な映画。アイスランドの映画の日本配給も珍しい。とにかくポスタービジュアルが奇妙。

記事を読む

『レディ・バード』先生だって不器用なひとりの人間

アメリカの独立系制作会社A24の『レディ・バード』。近年、評判のいいインディペンド映画は、み

記事を読む

no image

『リング』呪いのフォーマットは変われども

『リング』や『呪怨』を作った映画制作会社オズが破産したそうです。 そういえば幼稚園頃の娘が「さ

記事を読む

『ロボット・ドリームズ』 幸せは執着を越えて

『ロボット・ドリームズ』というアニメがSNSで評判だった。フランスとスペインの合作でアメリカ

記事を読む

『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022 +(プラス)』 推しは推せるときに推せ!

  新宿に『東急歌舞伎町タワー』という新しい商業施設ができた。そこに東急系の

記事を読む

『レゴバットマン/ザ・ムービー』男のロマンという喜劇

映画『レゴバットマン』が面白いという噂はずっと聞いていた。でもやっぱり子ども向けなので後回し

記事を読む

『ローガン』どーんと落ち込むスーパーヒーロー映画

映画製作時、どんな方向性でその作品を作るのか、事前に綿密に打ち合わせがされる。制作費が高けれ

記事を読む

『ラストエンペラー』 中学生、映画で近代史に興味がわく

イタリアのベルナルド・ベルトルッチ監督の『ラストエンペラー』。西洋人が描く東洋の歴史。この映

記事を読む

no image

『ローレライ』今なら右傾エンタメかな?

  今年の夏『進撃の巨人』の実写版のメガホンもとっている特撮畑出身の樋口真嗣監督の長

記事を読む

『ラースと、その彼女』 心の病に真摯に向き合ったコメディ

いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの人気者になったライアン・ゴズリング。彼の魅力は、そこはかとなく漂う

記事を読む

『藤本タツキ 17-26』 変態宣言を強要する珠玉のアニメ短編集!

『チェンソーマン』は、期待してなかったにも関わらず意外とハマっ

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』 こうしてすべてが変わっていく

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』という映

『M3GAN ミーガン 2.0』 ゆるぎないロボ愛よ永遠に

自分はSFが好き。友だちロボットのAIがバグって、人間を襲い出すS

『ナミビアの砂漠』 生きづらさ観察記

日曜日の朝にフジテレビで放送している番組『ボクらの時代』に俳優

『サタンタンゴ』 観客もそそのかす商業芸術の実験

今年2025年のノーベル文化賞をクラスナホルカイ・ラースローが

→もっと見る

PAGE TOP ↑