*

『レ・ミゼラブル』ミュージカル映画って流行なの?

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 映画:ラ行

 

今年の当り映画といえば
文句なく『アナと雪の女王』。
昨年といえば『レ・ミゼラブル』。
どちらもミュージカル映画。
これって流行なのかな?

自分はどちらの作品も無条件で好き。
だからこの映画の批判をする人は、
ヤボちんだな~と思ってしまう。

でも実は自分はミュージカル映画が苦手。

生の歌声が聴ける本場のミュージカルならまだしも、
口パクで音楽に合わせて、ダンスとカメラワークでみせる
ミュージカル映画ではなかなかノレず、飽きてしまう。

けど、この映画はすべて生歌。

役者さんもミュージカル役者ではなく、
ハリウッドのトップ俳優。

ようするにキャスティングのポイントが
歌唱力ではなく、華のある役者さんというところ。

生歌になることで、
歌と言うよりはセリフに近くなる。
この演出意図が素晴らしい。

ミュージカルファンは物足りないかも知れないが、
ミュージカル映画としては新境地。
やはりナマモノに勝るものはない。

監督は若きイギリスの監督・トム・フーパー。
本作の前は『英国王のスピーチ』で、これまた好評。

自分と同年代のこの監督さん。
本作のインタビューで、
ツラツラ演出意図を語っちゃってる。

これダメね。

作家が自作をこと細かく説明するなんて無粋。
作品は人に観せた時点で観客のものになる。
作家の意図はどうであれ、
感じ方は観客自身に委ねなければならない。

作品が子どもなら、人の目に触れた時点で
自立したことになる。
作品に過干渉になってしまってはカッコわるい。

これだけの名作を作っておきながら
こんな失敗をしてしまうフーパー監督に
親近感も感じてしまう自分もいたりします。

 

関連記事

no image

『6才のボクが、大人になるまで。』育児の恐れを緩和させる映画的時間旅行

  『6才のボクが、大人になるまで。』と、邦題そのままの映画。6才の少年が18才にな

記事を読む

『LAMB ラム』 愛情ってなんだ?

なんとも不穏な映画。アイスランドの映画の日本配給も珍しい。とにかくポスタービジュアルが奇妙。

記事を読む

『リアリティのダンス』ホドロフスキーとトラウマ

アレハンドロ・ホドロフスキーの23年ぶりの新作『リアリティのダンス』。ホドロフスキーと言えば

記事を読む

no image

愛すべき頑固ジジイ『ロボジー』

  2015年のゴールデンウィーク映画で『龍三と7人の子分たち』という映画があって、

記事を読む

no image

部外者が描いたからこそ作品になれた『リトル・ブッダ』

  4月8日は花祭りの日。 ブッダが生まれた日としてお祝いする日だそうで。

記事を読む

『ラストナイト・イン・ソーホー』 ハイセンスなおもちゃ箱

前作『ベイビー・ドライバー』がめちゃめちゃ面白かったエドガー・ライト監督の新作『ラストナイト

記事を読む

『レザボア・ドッグス』 せっかちさんはチャンスをつかむ?

新作準備の『ザ・ヘイトフル・エイト』 の脚本流出で制作中止を発表し、 先日それを撤回した

記事を読む

『ラストエンペラー オリジナル全長版」 渡る世間はカネ次第

『ラストエンペラー』の長尺版が配信されていた。この映画は坂本龍一さんの有名なテーマ曲の方が先

記事を読む

『リトル・ダンサー』 何かになりたかった大人たち

2000年公開のイギリス映画『リトル・ダンサー』が、ここのところ話題になっている。4Kリマス

記事を読む

『レクイエム・フォー・ドリーム』 めくるめく幻覚の世界

「シェシェシェのシェー」と叫びながら隣人女性に危害を加えて捕まった男がいましたね。危険ドラッ

記事を読む

『新幹線大爆破(Netflix)』 企業がつくる虚構と現実

公開前から話題になっていたNetflixの『新幹線大爆破』。自

『ラストエンペラー オリジナル全長版」 渡る世間はカネ次第

『ラストエンペラー』の長尺版が配信されていた。この映画は坂本龍

『アドレセンス』 凶悪犯罪・ザ・ライド

Netflixの連続シリーズ『アドレセンス』の公開開始時、にわ

『HAPPYEND』 モヤモヤしながら生きていく

空音央監督の長編フィクション第1作『HAPPYEND』。空音央

『メダリスト』 障害と才能と

映像配信のサブスクで何度も勧めてくる萌えアニメの作品がある。自

→もっと見る

PAGE TOP ↑