*

90年代サブカルのカタログ的存在『スワロウテイル』

公開日: : 最終更新日:2019/06/13 映画:サ行, 音楽

 

岩井俊二監督の『スワロウテイル』。この劇中の架空のバンド『YEN TOWN BAND』が再結成するとのことで。なんでも19年ぶりとか。もうそんなにたつのか……。

この『スワロウテイル』は今までの日本映画になかったクールな作品。とにかくここまでセンスが良くて日本映画にしてはそこそこ大作なのも今までなかった。当時20代だった自分は、この洗練された雰囲気に飛びついた。この作品は当時流行っていたサブカルの要素をふんだんに取り込んでいる。ウォン・カーワイ監督と撮影監督のクリストファー・ドイルの映像美の感覚。

種田陽平氏の美術は『ブレードランナー』のよう。後にタランティーノ監督が『キルビル』の美術監督に種田氏を起用している。ちなみに種田氏はタランティーノの次回作も担当しているらしい。

パッチワークで作られた作品をさらにパッチワークの素材として利用される。カッコいいものはカッコいい。それだけでいいんじゃないかと感じてしまう。セリフも日本語と英語、北京語がチャンポン。もう雑多でキッチュな日本のサブカルの象徴。

これもセンスが悪ければ、パクリと一蹴されるところだが、岩井俊二監督はセンスが良かった。中身はスカスカだけど面白い。眉間にしわをよせて作られた作品を隅に追いやってしまう勢いだった。もちろんたくさん批判もされた。

本作は音楽映画でもあるのだが、ライブシーンがとにかくカッコいい!! 日本映画でここまでクールなライブシーンは後にも先にもなかったと思う。

いまこの作品を観直すと、「当時こんなもの流行ったよね」のてんこ盛りで、遠くをみつめる目になってしまうのです。

関連記事

no image

『レヴェナント』これは映画技術の革命 ~THX・イオンシネマ海老名にて

  自分は郊外の映画館で映画を観るのが好きだ。都心と違って比較的混雑することもなく余

記事を読む

『さよなら銀河鉄道999』 見込みのある若者、後押しする大人

自分は若い時から年上が好きだった。もちろん軽蔑すべき人もいたけれど、自分の人生に大きく影響を

記事を読む

『ベニスに死す』美は身を滅ぼす?

今話題の映画『ミッドサマー』に、老人となったビョルン・アンドレセンが出演しているらしい。ビョ

記事を読む

『今日から俺は‼︎』子どもっぽい正統派

テレビドラマ『今日から俺は‼︎』が面白かった。 最近自分はすっかり日本のエンターテイメ

記事を読む

no image

『アニー(1982年版)』子どもから見た大人たちの世界

  かつてタレントのタモリさんが、テレビでさんざっぱら自身のミュージカル嫌いを語って

記事を読む

no image

『アバター』観客に甘い作品は、のびしろをくれない

ジェイムズ・キャメロン監督の世界的大ヒット作『アバター』。あんなにヒットしたのに、もう誰もそのタイト

記事を読む

『SHOAH ショア』ホロコースト、それは証言か虚言か?

ホロコーストを調べている身内から借りたクロード・ランズマンのブルーレイ集。ランズマンの代表作

記事を読む

no image

『アーロと少年』過酷な現実をみせつけられて

く、暗いゾ。笑いの要素がほとんどない……。 日本のポスタービジュアルが、アーロと少年スポットが

記事を読む

『ジョジョ・ラビット』長いものに巻かれてばかりいると…

「この映画好き!」と、開口一番発してしまう映画『ジョジョ・ラビット』。作品の舞台は第二次大戦

記事を読む

no image

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ある意味これもゾンビ映画

『スターウォーズ』の実写初のスピンオフ作品『ローグ・ワン』。自分は『スターウォーズ』の大ファンだけど

記事を読む

『俺の家の話』 普通って何なの?

現在放送中の『俺の家の話』がおもしろい。脚本がクドカンこと宮藤

『ヒックとドラゴン/聖地への冒険』 変わっていく主人公

いまEテレで、テレビシリーズの『ヒックとドラゴン』が放送されて

『チェルノブイリ』 あれ、みんな英語しゃべってる?

先日、福島で震度6強の地震があった。311の東北震災から、もう

『デッド・ドント・ダイ』 思えば遠くへ来たもんだ

エンターテイメント作品でネタに困った時、とりあえずゾンビものを

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 たどりつけばフェミニズム

先日、日本の政治家が、国際的な会見で女性蔑視的な発言をした。そ

→もっと見る

PAGE TOP ↑