原作への愛を感じる『ドラえもん のび太の恐竜2006』
今年は『ドラえもん』映画化の
35周年だそうです。
3歳になる息子のお気に入り映画
『ドラえもん のび太の恐竜2006』。
数あるドラえもん映画の中でも
特にこの作品がお気に入りのようです。
この映画、自分にとっても思い入れのある作品。
思い返せば35年前、小学校低学年の自分が
生まれてはじめて劇場で観た映画が
この作品のオリジナルである『ドラえもん のび太の恐竜』。
この『~2006』はリメイク作品にあたる。
自分がこの映画のオリジナル版を観た当時、
はじめての劇場のスクリーンが大きいので
感動したのを憶えています。
劇場は大入りで、立ち見で観ました。
当時は今のように、席確保が予約制じゃなかったのです。
子どもなので手すりのあるところまで一人で行って、
同伴してくれた父親は、後ろの方で観ていました。
映画が観れた感動で、コンディションの悪さなど
気にもなりませんでした。
懐かしい思い出です。
おそらく『~2006』のスタッフも同じような
子ども時代の記憶があるのでしょう。
原作への愛が本作からにじみ出ています。
本作は今までのボイスキャストから
一新しての初の映画版。
心機一転のスタート作に『のび太の恐竜』を
選ぶのは当然といったところ。
藤子プロがなんとかして過去の
藤子・F・不二雄氏の作品で
もう一度一儲けできないかと
欲もあったのでしょうが、
スタッフの原作への愛や、
藤子F氏への尊敬の念のほうが勝り、
今のドラえもん映画の再評価へと繋がったのでしょう。
自分も子どもにかこつけて、
この『平成ドラえもん映画』を毎年楽しみにしています。
この映画版、藤子F原作のリメイク作と、
今のスタッフのオリジナルストーリー作との
毎年交互に発表しています。
リメイク作は文句なしに面白いのですが、
オリジナル作はどうもイマイチ。
今は絵の描ける人は多いのだが、
物語が書けない人が多いという表れでしょう。
藤子F氏がいかにストーリーテラーだったかがわかります。
いつも藤子作品では、ファンタジーの世界の中に
きちんとした科学的根拠を織り交ぜて
その世界観の説得力をつけてくれ、感心させられます。
これは手塚治虫氏からも受け継がれている精神。
子ども向けだからといって決してバカにされたくない
本格的なハードSFを子どもにも理解できるレベルで
やってのけるという枷を作っていたのでしょう。
だからSFファンが観ても見応えがあるのです。
ドラえもんを侮る事なかれ!!
関連記事
-
-
『思い出のマーニー』 好きと伝える誇らしさと因縁
ジブリ映画の最新作である『思い出のマーニー』。 自分の周りでは、女性の評判はあまり良くなく
-
-
『TOMORROW 明日』 忘れがちな長崎のこと
本日8月9日は長崎の原爆の日。 とかく原爆といえば広島ばかりが とりざたされますが、
-
-
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 僕だけが知らない
『エヴァンゲリオン』の新劇場版シリーズが完結してしばらく経つ。すっかりブームもおさまって、『
-
-
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』 長い話は聞いちゃダメ‼︎
2024年2月11日、Amazonプライム・ビデオで『うる星やつら2 ビューティフル・ドリー
-
-
『太陽』 アートかコメディか? ロシア人が見た昭和天皇
今日は終戦記念日。 この作品はロシアの アレクサンドル・ソクーロフ監督が描く、 第
-
-
『スタンド・バイ・ミー』 現実逃避できない恐怖映画
日本テレビの『金曜ロードショー』のリクエスト放映が楽しい。選ばれる作品は80〜90年代の大ヒ
-
-
『鬼滅の刃 遊郭編』 テレビの未来
2021年の初め、テレビアニメの『鬼滅の刃』の新作の放送が発表された。我が家では家族みんなで
-
-
『スターウォーズ展』 新作公開というお祭り
いよいよ『スターウォーズ』の新作公開まで一週間! 街に出れば、どこもかしこもスターウォーズの
-
-
『となりのトトロ』 ホントは奇跡の企画
先日『となりのトトロ』がまたテレビで放映してました。 ウチの子ども達も一瞬にして夢中になり
-
-
『借りぐらしのアリエッテイ』 恋愛になる前に
昨年末、俳優の神木隆之介さんと志田未来さんの熱愛報道がスクープされた。関係者は否定したけど、
