*

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』顛落の悲劇。自業自得か殉教者か?

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 映画:タ行, 音楽

t02200332_0424064013062243703

問題作すぎて新作『ニンフォマニアック』の
日本公開も危ぶまれながらもうじき公開せまる
デンマーク出身ラース・フォン・トリアー監督の
カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作。

アイスランドの歌手ビョークを主演とした
ミュージカル風映画。

物語はタイトル通り絶望的に暗く、
主人公も視力を失っていく。

ラース・フォン・トリアー作品では
無知な女性がどんどん堕ちて行く話が多くあります。
本作を含む「黄金の心」三部作の
『奇跡の海』もそれにあたります。

黄金の心というくらいですから、
殉教に近い尊いものとして扱っているのでしょう。

彼の作品に登場する
不幸にまっすぐ向かって行く女性像に
自分はいつもイライラしまくっているんですね。

きっとトリアー監督と同じ宗教的な
バックボーンがあれば、
もしくは理解できるのかもしれませんが、
日本人の自分にはムカつく
ダメ人間の姿に見えてしまいます。

自分から不幸に飛び込んで行く主人公なんてイヤ。

この不幸まみれの主人公。
現実逃避の心象風景でミュージカルシーンが
挿入されるのです。

ミュージカルシーンは彩り豊かで、
そこでは主人公はみんなに祝福されている。

ミュージカルシーンは必見です。

演出では100台のカメラを据え置き、
ミュージカルの臨場感を伝えています。

逆に不幸な日常の場面では、
手持ちカメラで撮影されたドキュメンタリータッチ。

この実験的な演出は、トリアーの特徴。
ちゃんとした効果を計算された
実験演出はとても興味深いです。

トリアー監督は鬼監督としても有名。
ビョークを精神的に追い込んで、
彼女が撮影を放棄して失踪してしまうなんて
ハプニングもあったそうです。

とてもとても凹む映画だし、
トリアーもビョークも実際会ったら
とてもめんどくさそうな人たちだけれど、
なんだか注目してしまう。

これがスター性というかカリスマ性と
いうものなんでしょうね。


関連記事

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ある意味これもゾンビ映画

(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.[/capt

記事を読む

『トレインスポッティング』はミニシアターの立位置を変えた!!

スコットランドの独立の 是非を問う投票が終わり、 独立はなしということで決着がついた。

記事を読む

大人になれない中年男のメタファー『テッド』

大ヒットした喋るテディベアが主人公の映画『テッド』。 熊のぬいぐるみとマーク・ウォールバー

記事を読む

『スノーマン』ファンタジーは死の匂いと共に

http://co-trip.jp/article/36020/[/caption] 4歳に

記事を読む

『トゥモロー・ワールド』少子化未来の黙示録

人類に子どもが一切生まれなくなった 近未来を描くSF作。 内線、テロ、人権無視、

記事を読む

90年代サブカルのカタログ的存在『スワロウテイル』

岩井俊二監督の『スワロウテイル』。この劇中の架空のバンド『YEN TOWN BAND』が再結

記事を読む

『FOOL COOL ROCK!』サムライ魂なんて吹っ飛ばせ!!

『FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM』

記事を読む

暗い問題を明るく描く『塔の上のラプンツェル』

大ヒット作『アナと雪の女王』もこの 『塔の上のラプンツェル』の成功なしでは 企画すら通ら

記事を読む

『メアリと魔女の花』制御できない力なんていらない

http://www.maryflower.jp/[/caption] スタジオジブリのスタ

記事を読む

『グラディエーター』Are You Not Entertained?

https://www.youtube.com/watch?v=QPk1NdvplCI[/capt

記事を読む

PAGE TOP ↑