*

『ワールド・ウォーZ』ゾンビものとディザスターもののイノベーション

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 映画:ワ行,

 

ブラッド・ピットが自ら製作も手がけた
映画『ワールド・ウォーZ』。

ゾンビものとディザスターものを
ミックスさせた映画。

突如として疫病のごとく
ゾンビが世界中に蔓延し、
逃げ、闘い、退治方法をみつける。

新ジャンルを築こうと意欲を感じる。
ただ残念ながら、まだ完全に方向性が
煮詰まりきっていない感がしました。

ゾンビものにしては怖くない。
ディザスターものにしては臨場感がない。
アイディアはとてもいいので残念。

良質な作品は、いたって元ネタがあって、
元ネタエッセンスのパッチワークが絶妙だと
名作となって語り継がれる。

そもそも映画のアイディアで、
誰も観たことがないものが実現することはない。

映画製作には多くの人とお金が絡んできます。
それらの関わる人全員が、
まだ観ぬ世界観の作品へ向かう事はできません。

前例の作品のあの部分とこの部分とと、
指定していくのがいちばん効率的。

発明と言うよりは、
既存のアイディアを繋ぎ合わせて
新しいものにイノベーションしていく。

本作は結果として、
イノベーションに成功したとは言いがたいけど、
この布石で新たな作品が生まれる可能性が
高まった気がします。

どうやら原作とは別物らいしいこの映画版。
制作者たちは、大冒険はしているのでしょう。

この冒険が今後のハリウッド映画に
どう影響を与えるか期待します。

関連記事

『星の王子さま』 競争社会から逃げたくなったら

テレビでサン=テグジュペリの『星の王子さま』の特集をしていた。子どもたちと一緒にその番組を観

記事を読む

no image

『生きる』立派な人は経済の場では探せない

  黒澤明監督の代表作『生きる』。黒澤作品といえば、時代劇アクションとなりがちだが、

記事を読む

『ダンジョン飯』 健康第一で虚構の彼方へ

『ダンジョン飯』というタイトルはインパクトがありすぎた。『ダンジョン飯』という、なんとも不味

記事を読む

no image

男は泣き、女は勇気をもらう『ジョゼと虎と魚たち』

  この映画『ジョゼと虎と魚たち』。 公開当時、ミニシアター渋谷シネクイントに

記事を読む

『帰ってきたヒトラー』 これが今のドイツの空気感?

公開時、自分の周りで好評だった『帰ってきたヒトラー』。毒のありそうな社会風刺コメディは大好物

記事を読む

『透明なゆりかご』 優しい誤解を選んでいく

NHKで放送していたドラマ『透明なゆりかご』。産婦人科が舞台の医療もの。これは御涙頂戴の典型

記事を読む

no image

『アイ・アム・サム』ハンディがある人と共に働ける社会

  映画『アイ・アム・サム』は公開当時、びっくりするくらい女性客でいっぱいだった。満

記事を読む

『鬼滅の刃』親公認!道徳的な残虐マンガ‼︎

いま、巷の小学生の間で流行っているメディアミックス作品『鬼滅の刃』。我が家では年頃の子どもが

記事を読む

『嫌われ松子の一生』 道から逸れると人生終わり?

中島哲也監督の名作である。映画公開当時、とかく中島監督と主演の中谷美紀さんとが喧嘩しながら作

記事を読む

『アン・シャーリー』 相手の話を聴けるようになると

『赤毛のアン』がアニメ化リブートが始まった。今度は『アン・シャーリー』というタイトルになって

記事を読む

『僕らの世界が交わるまで』 自分の正しいは誰のもの

SNSで話題になっていた『僕らの世界が交わるまで』。ハートウォ

『アフリカン・カンフー・ナチス』 世界を股にかけた厨二病

2025年の今年は第二次世界大戦から終戦80周年で節目の年。そ

『トクサツガガガ』 みんなで普通の人のフリをする

ずっと気になっていたNHKドラマ『トクサツガガガ』を観た。今や

『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』 黒歴史を乗り越えて

カナダ映画の『アイ・ライク・ムービーズ』がSNSで話題になって

『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』 映画鑑賞という祭り

アニメ版の『鬼滅の刃』がやっと最終段階に入ってきた。コロナ禍の

→もっと見る

PAGE TOP ↑