*

一見水と油かと思いきや。寂聴さんとホリエモンの対談集『死ぬってどういうことですか?』

公開日: : 最終更新日:2015/11/08 メディア,

t02200254_0800092413090233636

尊敬する瀬戸内寂聴さんと、
自分はちょっとニガテな
ホリエモンこと堀江貴文さんの対談集
死ぬってどういうことですか?

寂聴さんホリエモンにキレルみたいな記事をみて
胃が苦しくなったが、
この水と油のようなお二人の対談には興味が湧いた。
しかも「死生観」についての対談。

普段避けていた存在でもあるホリエモン。
こんな機会でもなければ
彼の言葉に耳をかたむけることもなかったので、
結果的にとても良かった。

瀬戸内寂聴さんは御歳92歳。
言わずもがなものすごい恋愛経験を経て、
人生の酸いも甘いも経験して尼僧になった方。
言葉には重みがあり、説得力がある。

ホリエモンは天才。
文脈からADHDの気があるのが伺える天才。
ものすごく道理がわかってらっしゃる。
それで随所に心ないような発言がみえるのだが、
丁寧に聞いていけばどの言葉も筋が通っている。

宣伝の記事では寂聴さんとホリエモンが
口論したように感じるが、
まったくもってそんな事はなく、
お互いがお互いを尊重し、終始穏やか。

基本的に二人の意見は一致していて、
視点は違えど核心は一つなのがわかる。

二人がぶつかったようにみせて宣伝するのは間違い。
奇をてらった本編とは関係のない書評。
自分と違う意見が出た時、
「どうしてそう思うの?」と質問している。
ディスカッションはそうしてはじまるもの。
異なる意見を責めている訳ではない。

その人のインテリジェンスはこういったところにでる。
知識人はこうでなくては!

これからの日本に必要なのは、
たとえ意見の異なった相手でも、
意見を発する人を尊重し、耳を傾けて行く事。

自分と異論を放つものを排除するなんて
幼稚な発想は改めたいものです。

いろんな意見があって、はじめてディスカッションができ、
よりよい世の中へと向かって行く第一歩となるのです。

お二人の話を聞けば聞く程、
右とか左とかでは計り知れない問題が多い。

理論理屈で論破するのも違うし、
こわいこわいと感情論で冷静さを欠くのも違う。
かといって
順序だてて物事を考察して行くことは大切だし、
直感を信じることもまた大切。

この本を読んではじめてホリエモンと言う人が
なんとなく理解できたのは大きな収穫。

ホリエモンと自分は同世代。
彼の才能は本書でも十分伝わる。
凡人離れした天才です。

それゆえ欠如している部分も大きい。
それは「人との共感力」。

彼は、道理や理屈では凡人より
遥かに高い知識をもっています。

如何せん経験がともなわないので、
わからないといったところの落差が激しい。

彼も本書で語っていますが、
親にきちんと愛情を注がれてこなかったと言う事。

だからこそ自分の子どもや家族、恋人といった
「人の心」には本質的に興味がない。

そんな同世代って多いと思います。
自分も親からは上手に愛情を受けない
幼少期を送りました。

ただ自分は子ども時代寂しい思いをした分、
自分が親になった時は
子どもの話を聞ける大人になりたいと、
未来の自分に約束しました。

優秀なビジネスマンにはなれそびれたけれど、
その子どもの頃の自分との約束は
いまでも守り続けたいと思っております。

ホリエモンやヒルズ族といわれるタイプの人種とは
根本的な人生観が違うみたい。
だからこそホリエモンがニガテだったのかも知れません。

本書を読んで、このニガテ意識は
なんとなく払拭できましたけどね。

関連記事

『茶の味』かつてオタクが優しかった頃

http://asianwiki.com/The_Taste_of_Tea[/caption]

記事を読む

自粛もいいけど、それでは天才は生まれない

NHKのお笑い番組で、 お笑いコンビ「爆笑問題」が政治家ネタを やろうとしたところ、事前

記事を読む

『海街diary』男性向け女性映画?

日本映画で人気の若い女優さんを4人も主役に揃えた作品。全然似てないキャスティングの4人姉妹の話を

記事を読む

岡本太郎の四半世紀前の言葉、現在の予言書『自分の中に毒を持て』

ずっと以前から人に勧められて 先延ばしにしていた本書をやっと読めました。 エキセント

記事を読む

『猿の惑星: 創世記』淘汰されるべきは人間

『猿の惑星:創世記』。 もうじき日本でも本作の続編にあたる 『猿の惑星:新世紀』が公開さ

記事を読む

『デッドプール』映画に飽きた映画好きのためのスパイス的映画

http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/[/caption]

記事を読む

『境界のRINNE』やっぱり昔の漫画家はていねい

ウチでは小さな子がいるので Eテレがかかっていることが多い。 でも土日の夕方の、青年向け

記事を読む

『グーニーズ』ヤツは敵か味方か?

© 1985 - Warner Bros. All rights reserved.[/capti

記事を読む

『野火』人が人でなくなるところ

http://www.tsukamotoshinya.net/[/caption] 塚本晋也

記事を読む

『ベイマックス』を起爆剤に日本も!! その2

日本人でエンタメ大国アメリカで、 日本のアニメスタジオ作って、 世界発信すればいいのに。

記事を読む

『赤毛のアン』アーティストの弊害

アニメ監督の高畑勲監督が先日亡くなられた。紹介されるフィルモグ

『風と共に去りぬ』時代を凌駕した人生観

小学生の娘が突然、映画『風と共に去りぬ』が観たいと言い出した。

『光とともに…』誰もが生きやすい世の中になるために

©戸部けいこ・秋田書店[/caption] 小学生の娘が、学校

『ゲゲゲの女房』本当に怖いマンガとは?

水木しげるさんの奥さんである武良布枝さんの自伝エッセイ『ゲゲゲ

『チャーリーとチョコレート工場』歪んだ愛情とその傷

映画が公開されてから時間が経って、その時の宣伝や熱狂が冷めたあ

→もっと見る

PAGE TOP ↑