「 音楽 」 一覧
『ドリーム』あれもこれも反知性主義?
近年、洋画の日本公開での邦題の劣悪なセンスが話題になっている。このアメリカ映画『ドリーム』も、邦題が発表されるや否や、批判の嵐がネットを中心に加熱した。 当初は『ドリーム わ
『チャーリーとチョコレート工場』 歪んだ愛情とその傷
映画が公開されてから時間が経って、その時の宣伝や熱狂が冷めたあと、あらためてその映画を観直すと、作品に込められた真のテーマが見えてくるなんてことが稀にある。このティム・バートンが監督した『チャ
『アトミック・ブロンド』時代の転機をどう乗り越えるか
シャーリーズ・セロン主演のスパイ・アクション映画『アトミック・ブロンド』。映画の舞台は東西ベルリンの壁崩壊寸前の1989年。もうサントラがどストライク。映画は冒頭のっけからニューオーダーの『ブルーマン
『怒り』 自己責任で世界がよどむ
正直自分は、最近の日本のメジャー映画を侮っていた。その日本の大手映画会社・東宝が製作した映画『怒り』。まさかここまで見応えがある作品だとは思わなかった。自分は本作で音楽を担当している坂本龍一さ
『アニー(1982年版)』 子どもから見た大人たちの世界
かつてタレントのタモリさんが、テレビでさんざっぱら自身のミュージカル嫌いを語っていた。まだ小さかった自分は、それに感化されて、ミュージカルとはくだらないものなのだろうと思い込んでいた。欧米でも
『サウンド・オブ・ミュージック』 さらに高みを目指そう!
先日行われた息子の幼稚園の発表会の演目は『サウンド・オブ・ミュージック』だった。自分が生まれる前の映画なのはもちろん、自分が最後に鑑賞したのも数十年前の10代の頃。「ずいぶん前に観たな〜」とい
『ベイビー・ドライバー』 古さと新しさと遊び心
ミュージカル版アクション映画と言われた『ベイビー・ドライバー』。観た人誰もがべた褒めどころか、ちょっと興奮気味。あまり期待せず、フラッと劇場に行ったらエライことになったって。こりゃあ絶対おもし
『惑星ソラリス』偏屈な幼児心理
2017年は、旧ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーに呼ばれているような年だった。子どもの頃から好きな坂本龍一さんの病み上がり復帰作アルバム『async』は「タルコフスキー映画