*

母子家庭の不安のメタファー『E.T.』

公開日: : 最終更新日:2021/01/03 映画:ア行

今日はハロウィン。
自分はこの時期『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』より
『E.T.』を思い出してしまいます。

映画『E.T.』というと、自分の世代は
洋画デビューした人が多いのではないでしょうか。

自分も主演のヘンリー・トーマスとは同い年。
子どもの頃、社会現象になっていたのを憶えています。

実は自分はティーンエイジャーになってから
この作品を観ました。

ウチの両親は映画には
まったく興味のない人たちだったし、
当時はまだ洋画作品は吹き替え版は
なかったように記憶しています。
小学生の自分には洋画はかなり高い敷居でした。

『E.T.』は監督のスピルバーグにも特別のこだわりがあり、
なかなかビデオ化してくれなかったのと、
ここまで流行った映画なんか観れるかと言う
あまのじゃくな自分が、
なかなか鑑賞まで至らなかったと言えます。

実際映画を観ると、ホントに面白かった。
あまのじゃくはソンをすると感じましたね。

スピルバーグはきっとアメリカ政府から依頼され、
こういった宇宙人ものや戦争もの、
共産主義的なものを作っているような感があります。

主人公エリオットのウチはシングルマザー。
子どもが主人公の作品で、
きちんと大人の事情も描いているのが
作品の隠し味として、いきています。

とかく映画には母親が脚光を浴びる作品が少ない。
当時、シングルマザーの家庭が
描かれる映画も珍しかったのではないでしょうか?

当然、母親はいつも不安でイライラしている。
子どもたちも母の支えになりたいと
心の底では思っているが、どうしていいかわからない。

そんななか子どもたちはETと遭遇する。

ETの存在は、リアルな描き方こそしているが、
ファンタジー的メタファーととらえてもいい。

日々の生活でカツカツになっている母親には
ETの存在はみえない。外敵でしかない。

理解のない親だなと、10代の頃の自分は感じた。
大人になってみると、母親の不安な気持ちがわかる。

夢見がちな子どもたちに、救われもし、
気楽で妬ましくも感じてしまう。

20周年特別版ではじめて劇場で本作を観た。
英語がシンプルなので、
自分の語学力でも子どもたちの会話は理解できた。

拙い英語を喋るETとの交流。

言葉がダイレクトに伝わると、
感動が倍増します。気付くと泣いてましたね。

この作品で、言葉の大切さも感じました。

純粋な子どもたちが、
しがらみだらけの大人を黙らせる
小気味良い映画でもあります。

さて、自分も大人になってしまった。
エリオットに唯一理解を示す大人・Mr.Keysくらいに
自分はなれているだろうか?

関連記事

no image

『思い出のマーニー』好きと伝える誇らしさと、因縁

  ジブリ映画の最新作である『思い出のマーニー』。 自分の周りでは、女性の評判はあ

記事を読む

『お嬢さん』 無国籍お耽美映画は解放へ向かう

韓国産の作風は、韓流ドラマのような甘ったるいものと、血みどろで殺伐とした映画と極端に分かれて

記事を読む

no image

日本映画の時代を先行し、追い抜かれた『踊る大走査線』

  『踊る大走査線』はとても流行ったドラマ。 ドラマが映画化されて、国民的作品とな

記事を読む

no image

DT寅次郎がゆく『みうらじゅんのゆるゆる映画劇場 』

  雑誌『映画秘宝』に現在も連載中の記事を再編集されたもの。普通の映画評論に飽きたら

記事を読む

no image

さよならロビン・ウィリアムズ = ジーニー『アラジン』

  ロビン・ウィリアムズが 8月11日に亡くなったそうです。 彼の作品には名

記事を読む

no image

『硫黄島からの手紙』日本人もアメリカ人も、昔の人も今の人もみな同じ人間

  クリント・イーストウッド監督による 第二次世界大戦の日本の激戦地 硫黄島を舞

記事を読む

『インサイド・ヘッド』むずかしいことをゆかいに!!

ピクサーの2015年作品『インサイド・ヘッド』。ものすごい脚本だな〜、と感心してしまう映画。

記事を読む

no image

『エレファント・マン』と感動ポルノ、そして体調悪化

『エレファント・マン』は、自分がデヴィッド・リンチの名前を知るきっかけになった作品。小学生だった自分

記事を読む

『いだてん』近代日本史エンタメ求む!

大河ドラマの『いだてん 〜東京オリムピック噺〜』の視聴率が伸び悩んでいるとよく聞く。こちらと

記事を読む

『アナと雪の女王』からみる未来のエンターテイメント

『アナと雪の女王』は老若男女に受け入れられる 大ヒット作となりました。 でもディズニ

記事を読む

『俺の家の話』 普通って何なの?

現在放送中の『俺の家の話』がおもしろい。脚本がクドカンこと宮藤

『ヒックとドラゴン/聖地への冒険』 変わっていく主人公

いまEテレで、テレビシリーズの『ヒックとドラゴン』が放送されて

『チェルノブイリ』 あれ、みんな英語しゃべってる?

先日、福島で震度6強の地震があった。311の東北震災から、もう

『デッド・ドント・ダイ』 思えば遠くへ来たもんだ

エンターテイメント作品でネタに困った時、とりあえずゾンビものを

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 たどりつけばフェミニズム

先日、日本の政治家が、国際的な会見で女性蔑視的な発言をした。そ

→もっと見る

PAGE TOP ↑