先日『あしたのジョー』の主人公矢吹丈の
ライバル・力石徹役の仲村秀生氏が亡くなりました。
ご冥福をお祈り致します。

さて、ジョーは最終回で
ホセ・メンドーサとの対決後、
真っ白に燃え尽きます。

ジョーはリングサイドのベンチに
笑みを浮かべながらうつむいています。
文字通り真っ白になって。

子どもの頃、これをみて感じました。
「ああ、ジョーは死んじゃったんだな」

子ども心には、夢とロマンに殉じた方が
カッコいいと思っていました。

ただ後に作者の一人ちばてつや氏などが、
ジョーは死んでいないかもと
ほのめかすようになりました。

ジョーが望んだ
「真っ白に燃え尽きる」というのは、
死ぬと言う意味ではなく、
自分の夢やロマンに納得がいくまで
向き合うということらしい。

だからこそジョーは、
試合には負けたけれど全力を尽くしたので、
満足そうに笑みを浮かべているのです。

ひとつの危ういロマンに
区切りがついたというところ。

納得のいったジョーはリングをおりて、
第二の人生を歩き出したかもしれません。
白木葉子のもとに帰ったかもしれません。

ちば氏もジョーと葉子が暮らしている様子の
絵を描いた事もあります。

 

命がけのロマンを追い求め、
それでも生還し、新しい人生をみつける。

当時としては、先見の明がある結末。

夢に殉じるよりも遥かに現代的で、
希望のある物語となった印象を与えます。

大人となった今では、
ジョーに生きていて欲しいと感じてしまうのです。