*

『ブラック・レイン』 松田優作と内田裕也の世界

公開日: : 最終更新日:2021/04/29 映画:ハ行, 音楽

今日は松田優作さんの命日。

高校生の頃、映画『ブラックレイン』を観た。
大好きな『ブレードランナー(以下ブレラン)』の
リドリー・スコット監督が日本の大阪で、
まるで『ブレラン』のような映像を作り上げている。
しかもサントラには、大ファンの坂本龍一さんも参加してる。

自分と同じく『ブレラン』『YMO』ファンの
友人と新宿の映画館へ。
(そういえば観に行ったこの映画館も
今年いっぱいで廃館になる予定。諸行無常なり。)

とにかく気になったのは
画面のピントがあっていない!!

当時フィルム上映だった映画館は、
今のようなデジタルのクリアなものではない。

ハリウッド映画は世界配給するため、
オリジナルフィルムからコピーにコピーを重ねた
劣悪な状態のものが劇場にかかることとなる。
ただでさえ状態の悪いフィルムに
上映技師の手抜きで見づらい画面になっていた!!

まあ、目先の金儲けしか考えていない
80年代らしい思考ですね。

そんな劣悪な上映状態にも関わらず、
映画は自分が日本人であることが誇らしく感じるほど
日本を美化し、サイバーパンク都市として描かれていた。
カッコいい!!

リドリースコットファン納得の映像美。
内容はありきたりのアクションものだったけどね。

で、リドリースコット目当てで映画を観たのだけれど、
上映後、友人と開口一番に出た感想は
「松田優作カッコ良かった!!」でした。
あと不良中年内田裕也さんがサイコーと。

これは松田優作、海外で絶対評価されるぞ、と
ものすごく期待しておりました。
これは三船敏郎さん以来の、
カッコいい日本人ハリウッドスターの誕生かと。

映画を見終わってまだ日が浅い頃、
ニュースで松田優作さんの名前がでた。
キタキタと思った自分の耳の入ったのは
松田優作さんの訃報。

ショックでした。
この映画は死を覚悟の出演だったとのこと。

役者人生としては、これからというところ、
最後の花火を散らしたのでしょう。

こんなカッコいい死に方をしてしまうから
伝説にはなるのだけれど、
家族はたまっものではない。

あの頃松田優作さんの葬儀にいた
小さな息子さん二人は、
いま人気の役者さんになっているのだから
時の経つのは早いものです。

松田優作享年40歳。
自分は彼より年上になってしまいました。

関連記事

no image

部外者が描いたからこそ作品になれた『リトル・ブッダ』

  4月8日は花祭りの日。 ブッダが生まれた日としてお祝いする日だそうで。

記事を読む

『アニー(1982年版)』 子どもから見た大人たちの世界

かつてタレントのタモリさんが、テレビでさんざっぱら自身のミュージカル嫌いを語っていた。まだ小

記事を読む

『アリオン』 伝説になれない英雄

安彦良和監督のアニメ映画『アリオン』。ギリシャ神話をモチーフにした冒険活劇。いまアリオンとい

記事を読む

no image

『her』ネットに繋がっている時間、私の人生は停まっている

スパイク・ジョーンズ監督作品『her/世界でひとつの彼女』は、本格的なSF作品としてとても興味深い。

記事を読む

『ミニオンズ』 子ども向けでもオシャレじゃなくちゃ

もうすぐ4歳になろうとしているウチの息子は、どうやら笑いの神様が宿っているようだ。いつも常に

記事を読む

no image

『オデッセイ』 ラフ & タフ。己が動けば世界も動く⁉︎

2016年も押し詰まってきた。今年は世界で予想外のビックリがたくさんあった。イギリスのEU離脱や、ア

記事を読む

no image

『東のエデン』事実は小説よりも奇なりか?

  『東のエデン』というテレビアニメ作品は 2009年に発表され、舞台は2011年

記事を読む

『ブレードランナー』 その映画が好きな理由

『ブレードランナー』、 パート2の制作も最近決まった カルト中のカルトムービーのSF映画

記事を読む

『TAR ター』 天才やらかしあるある

賛否両論話題となっている映画『ター』。世界的な最高の地位を得た天才指揮者リディア・ターの目を

記事を読む

『ハウルの動く城』 おばさまに好評のアニメ

スタジオジブリ作品『ハウルの動く城』。 公開当時、大勢から「わけがわからない」と声があがっ

記事を読む

『教皇選挙』 わけがわからなくなってわかるもの

映画『教皇選挙』が日本でもヒットしていると、この映画が公開時に

『たかが世界の終わり』 さらに新しい恐るべき子ども

グザヴィエ・ドラン監督の名前は、よくクリエーターの中で名前が出

『動くな、死ね、甦れ!』 過去の自分と旅をする

ずっと知り合いから勧められていたロシア映画『動くな、死ね、甦れ

『チェンソーマン レゼ編』 いつしかマトモに惹かされて

〈本ブログはネタバレを含みます〉 アニメ版の『チ

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』 普通に生きるという特殊能力

リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム』は、ときどき話

→もっと見る

PAGE TOP ↑