どこへいった? スプラッターブーム!?『13日の金曜日』
公開日:
:
最終更新日:2019/06/14
映画:サ行
『13日の金曜日』というとキリストが
処刑された日として、キリスト教徒からは
不吉な人されているわけですが、
宗教とあまり関係のない日本人としては
ホッケーマスクの殺人鬼がいちばんポピュラー。
80年代はスプラッタームービーという
残虐な殺人場面を売りとする
作品がブームとなった。
中高生のとき、
友人がスプラッタームービーに
ハマっていた影響で、
よく借りてみていたものです。
自分は基本的に怖いのや、気持ち悪いの、
ビックリさせられるのが苦手なので、
あまり深入りする事はなかったのですが……。
人が血しぶき吹いて殺される様を観て、
キャーキャー言っているのだから
平和な時代だったのでしょう。
実はこの『13日の金曜日』の
殺人鬼・ジェイソンの姿は当初は
ホッケーマスクをかぶっていなかった。
第一作目ではジェイソンは
湖の事故で亡くなった子どもという設定。
我が子を亡くした母親が
悲しみのあまりに狂ってしまって、
息子が生きていたら
同年代であろう若者たちを
虐殺していくというものだった。
なんでも実際に起こった事件が
ベースになっていたとか。
やはり同時期の映画『悪魔のいけにえ』も
事実を元にしているから
その流れだったのでしょう。
一作目はけっこう普通に
怖かったような印象があります。
シリーズを重ねる毎に、
ジェイソンがキャラクター化されていき、
いっくらでも続編が作れる
アトラクションムービーになっていきました。
遺族とか怒らなかったのかしら?
80年代の映画でシリーズ物は
スタローン映画を始め、
一作目は重いテーマを扱っているが、
シリーズを重ねる毎に軽くなっていき、
にもかかわらずヒットするという、
軽薄な時代を象徴しているよう。
当時も猟奇的な殺人事件は
あったでしょうが、
今ほど慎重ではなく
大らかだったのかも知れません。
最近では暴力描写には
ナーバスな世の中なので、
へんに刺激するような作品は
作られないのでしょうね。
シリーズ後半では
人が死ぬのにも関わらず、
明るく笑える要素がある映画になり、
内容なんてほとんどない。
自分も小さい頃にテレビで観ていましたが、
怖くてそれこそ手に汗握って観ていたものです。
最後まで観れるか度胸試しでした。
そういえば『13金』、
『パート3』は3D映画だったような。
3D眼鏡は今のものとは違って、
もっとアナログな
右と左が赤と青(緑だったかな?)の
カラーフィルムがレンズ代わり。
スプラッタシーンで目玉が画面に向かって
飛び出してくる描写があるんだけど、
ビヨーンってバネまるだし。
笑っていいのか、
怖がっていいのかビミョーでした。
そんなとこばかり憶えています。
いろいろ微笑ましい映画です。
関連記事
-
『おやすみなさいダース・ヴェイダー』SWファンもすっかりパパさ
ジェフリー・ブラウン著『おやすみなさいダース・ヴェイダー』。 スターウォーズの
-
桜をみると思い出す『四月物語』
4月、桜の季節ということと、 主演の松たか子さんが 第一子誕生ということで、
-
『シン・ウルトラマン』 こじらせのあとさき
『シン・ウルトラマン』がAmazon primeでの配信が始まった。自分はこの話題作を劇場で
-
『下妻物語』 若者向け日本映画の分岐点
台風18号は茨城を始め多くの地に甚大なる被害を与えました。被害に遭われた方々には心よりお見舞
-
『シェイプ・オブ・ウォーター』懐古趣味は進むよどこまでも
今年2018年のアカデミー賞の主要部門を獲得したギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・
-
『斉木楠雄のΨ難』生きづらさと早口と
ネット広告でやたらと『斉木楠雄のΨ難』というアニメを推してくる。Netflix独占で新シーズ
-
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』これからのハリウッド映画は?
マーベル・ユニバース映画の現時点での最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をやっと
-
『時効警察はじめました』むかし切れ者という生き方
『時効警察』が12年ぶりの新シリーズが始まった。今期の日本の連続ドラマは、10年以上前の続編
-
『シン・ゴジラ』まだ日本(映画)も捨てたもんじゃない!
映画公開前、ほとんどの人がこの映画『シン・ゴジラ』に興味がわかなかったはず。かく言う自分もこ
-
『サクリファイス』日本に傾倒した核戦争の世界
旧ソ連出身のアンドレイ・タルコフスキー監督が、亡命して各国を流転しながら映画をつくっていた遺作となる
- PREV
- 『風立ちぬ』 招かざる未来に備えて
- NEXT
- 核時代の予言だったのか?『ストーカー』