*

90年代再燃か!?『ONE OK ROCK』

公開日: : 最終更新日:2019/06/14 音楽

 

若い子に人気の『ONE OK ROCK』。
映画『るろうに剣心』実写版三部作の主題歌で
自分は初めて聞いたのだけれど、
当初は自分の知らない洋楽を、
例によって金にモノを言わせて、
無理矢理主題歌に起用しているのだと思ってました。

『リンキンパーク』とか
90年代洋楽のオルタナ系やエモ系の
自分の知らない曲を使っているのかと。

歌詞はメインが英語。
発音も日本人英語じゃない。
でもところどころに日本語が
まじってるように聞こえる。

空耳か?
空耳アワーに投稿か?

いやいや『ONE OK ROCK』は
海外のバンドじゃなくて、
純粋な日本人バンド。

歌詞は英語の韻を踏みながら、
日本語もさらりと入り込んでる。
これ、けっこうカッコいい。
詩に意味がないのもイイ。
英語っぽく聞こえる日本語。

ボーカルのTakaさんはなんと、
森進一さんと森晶子さんの息子。
英語の発音も良く、ネイティブが聞いても
日本人英語には聞こえないらしいです。

両親がトップの演歌歌手で
天賦の才能もあったことでしょうが、
やはり恵まれた英才教育の機会にも
恵まれていたのでしょう。
なんでもジャーニーズにも在籍していた時があり、
『NEWS』のメンバーだったとか。

両親の離婚やら、幼い時からの芸能活動やら、
苦労して荒む要素はたくさんありそうだけど、
その苦労が開花した好例ですね。

なんでも海外でも人気があるらしく、
この散りばめられた日本語がカッコいいと
評価している海外の人もいるとか。

以前、アメリカの独立系映画の
プロデューサーの話を聞いたのですが、
日本人歌手が海外で活躍するのは、
言葉の壁が大き過ぎて難しいらしい。
日本人独自のアイデンティティーを
表現する方向で持って行かなければ
世界には通用しないとのことでした。

どうもTakaさんは耳が
尋常じゃないくらい良いみたいですね。

国内の商業主義から発生したバンドとはいえ、
国内完結型ではとどまらず、
世界に通用するエンターテイナーを、
日本で作って行こうとするのはとてもイイ!

国内完結型のショービジネスだと、
どうしても特定の客から
どれだけむしり取るかの発想になる。

そもそも世界がターゲットになれば、
当れば大きいし、厳しい目にさらされる分、
作品がどんどん向上していく。
とても頭のいいビジネス戦略だ。

自分たち中年世代には懐かしいサウンドで、
若い子には新鮮なのでしょう。
いや日本でこのバンドの音が
カッコいいと思う感性の若い子って、
なかなか耳が肥えてらっしゃる。

20年遅れでやっと日本人の耳も
世界に通用するポップスが
分かるようになったのかと思うと
なんとなく嬉しい。

ただボーカルのTakaさん、
お父さんにそっくりなので、
シャウトしてる姿からは
「おふくろさん……」って
いまにも聞こえてきそうなのです。

関連記事

『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』 喪の仕事エンターテイメント

作品全体からなんとも言えない不安感が漂っている。不思議なエンターテイメント映画。ディズニー・

記事を読む

no image

『ファインディング・ドリー』マイノリティへの応援歌

  映画はひととき、現実から逃避させてくれる夢みたいなもの。いつからか映画というエン

記事を読む

no image

『DENKI GROOVE THE MOVIE?』トンガリ続けて四半世紀

  オフィス勤めしていた頃。PCに向かっている自分の周辺視野に、なにかイヤなものが入

記事を読む

『アーロと少年』 過酷な現実をみせつけられて

く、暗いゾ。笑いの要素がほとんどない……。 日本のポスタービジュアルが、アーロと少年ス

記事を読む

『ベニスに死す』美は身を滅ぼす?

今話題の映画『ミッドサマー』に、老人となったビョルン・アンドレセンが出演しているらしい。ビョ

記事を読む

『希望のかなた』すべては個々のモラルに

「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ借り」というものもある。どんな映画かまったく知らないが、ジャケッ

記事を読む

『バグダッド・カフェ』 同じ映像、違う見え方

いつまでも あると思うな 動画配信。 AmazonプライムビデオとU-NEXTで配信中

記事を読む

『銀河鉄道の夜』デザインセンスは笑いのセンス

自分の子どもたちには、ある程度児童文学の常識的な知識は持っていて欲しい。マンガばかり読んでい

記事を読む

no image

『幸せへのキセキ』過去と対峙し未来へ生きる

  外国映画の日本での宣伝のされ方の間違ったニュアンスで、見逃してしまった名作はたく

記事を読む

『Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014』 坂本龍一、アーティストがコンテンツになるとき

今年の正月は坂本龍一ざんまいだった。1月2日には、そのとき東京都現代美術館で開催されていた『

記事を読む

『チェンソーマン レゼ編』 いつしかマトモに惹かされて

〈本ブログはネタバレを含みます〉 アニメ版の『チ

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』 普通に生きるという特殊能力

リチャード・カーティス監督の『アバウト・タイム』は、ときどき話

『ヒックとドラゴン(2025年)』 自分の居場所をつくる方法

アメリカのアニメスタジオ・ドリームワークス制作の『ヒックとドラ

『世にも怪奇な物語』 怪奇現象と幻覚

『世にも怪奇な物語』と聞くと、フジテレビで不定期に放送している

『大長編 タローマン 万博大爆発』 脳がバグる本気の厨二病悪夢

『タローマン』の映画を観に行ってしまった。そもそも『タローマン

→もっと見る

PAGE TOP ↑