『イノセンス』 女子が怒りだす草食系男子映画

押井守監督のアニメーション映画。
今も尚シリーズが続く『攻殻機動隊』の
続編にも関わらず『2』とうたわず、
物語はいちげんさんでは理解できない不親切なつくり。
この作品、男のファンが多いのはもちろんなのですが、
一緒につれていかれた女子が不快に感じ、
怒りだしてしまうなんてこともしばしば。
なんでも、ふられた女にイジイジ文句を言っているのを
延々聞かされているような気になるそうです。
台詞劇で、多くの引用、
凝り過ぎの画面作り、ものすごい情報量の本作。
一言でいえば「単純な事を難しくいっている」作品。
理屈っぽい。そりゃ女性は嫌う。
ただ、どれが真実かわからなくさせるのが、
この作品の狙いなので、迷路を楽しむのがいい。
本作の中でも「家族をもつな」「ペットを飼うな」
「子どもより人形の方がいい」などの台詞がある。
主人公の刑事二人。
ひとりは犬を飼っており、もうひとりは家族持ち。
それを仕事をするには不利のような描写がある。
事件を追うたびに出会う人たちはみな、
孤独に生きる事の幸せを語ったりする。
押井監督は次回作『スカイ・クロラ』で
前言撤回のように「家族を持とう!』と急に言い出す。
昭和時代のアニメ作家は、反骨精神の人が多く、
当時も「オレは結婚なんてしない!」といっていた人も多い。
だが実際のところ、みんな収まるところに収まって、
「なんだよあいつ」と言われている人がほとんど。
結局ポーズでカッコつけた発言をするのですが、
実生活はいたって不通の人なのです。
しかし今はみんな結婚もしない。
恋人すらもつくらない。
昭和のアニメ作家たちは、
自分の部下たちが
いつまでもスタジオで仕事ばかりして、
家に帰らない事に懸念しています。
結局、「みんな結婚しろよ!」と
反骨精神とは真逆なことを言い始めた次第です。
関連記事
-
-
『葬送のフリーレン』 もしも永遠に若かったら
子どもが通っている絵画教室で、『葬送のフリーレン』の模写をしている子がいた。子どもたちの間で
-
-
『犬ヶ島』オシャレという煙に巻かれて
ウェス・アンダーソン監督の作品は、必ず興味を惹くのだけれど、鑑賞後は必ず疲労と倦怠感がのしか
-
-
『ヴァチカンのエクソシスト』 悪魔は陽キャがお嫌い
SNSで評判だった『ヴァチカンのエクソシスト』を観た。自分は怖がりなので、ホラー映画が大の苦
-
-
『エターナルズ』 モヤモヤする啓蒙超大作娯楽映画
『アベンジャーズ エンドゲーム』で、一度物語に区切りをつけたディズニー・マーベルの連作シリー
-
-
『オネアミスの翼』くいっっっぱぐれない!!
先日終了したドラマ『アオイホノオ』の登場人物で ムロツヨシさんが演じる山賀博之
-
-
『君の名は。』 距離を置くと大抵のものは綺麗に見える
金曜ロードショーで新海誠監督の『君の名は。』が放送されていた。子どもが録画していたので、自分
-
-
『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』 映画鑑賞という祭り
アニメ版の『鬼滅の刃』がやっと最終段階に入ってきた。コロナ禍のステイホーム時期に、どうやって
-
-
ホントは怖い『墓場鬼太郎』
2010年のNHK朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』で 水木しげる氏の世界観も
-
-
『インサイド・ヘッド2』 感情にとらわれて
ディズニー・ピクサーの『インサイド・ヘッド2』がアメリカの劇場でヒットしているとニュースは、
-
-
『おおかみこどもの雨と雪』 人生に向き合うきっかけ
『リア充』って良い言葉ではないと思います。 『おおかみこどもの雨と雪』が テレビ放映
- PREV
- 日本も開けてきた?『終戦のエンペラー』
- NEXT
- 『ハウルの動く城』 おばさまに好評のアニメ
