*

『イノセンス』 女子が怒りだす草食系男子映画

公開日: : 最終更新日:2021/03/06 アニメ, 映画:ア行

押井守監督のアニメーション映画。
今も尚シリーズが続く『攻殻機動隊』の
続編にも関わらず『2』とうたわず、
物語はいちげんさんでは理解できない不親切なつくり。
この作品、男のファンが多いのはもちろんなのですが、
一緒につれていかれた女子が不快に感じ、
怒りだしてしまうなんてこともしばしば。

なんでも、ふられた女にイジイジ文句を言っているのを
延々聞かされているような気になるそうです。

台詞劇で、多くの引用、
凝り過ぎの画面作り、ものすごい情報量の本作。

一言でいえば「単純な事を難しくいっている」作品。
理屈っぽい。そりゃ女性は嫌う。

ただ、どれが真実かわからなくさせるのが、
この作品の狙いなので、迷路を楽しむのがいい。

本作の中でも「家族をもつな」「ペットを飼うな」
「子どもより人形の方がいい」などの台詞がある。

主人公の刑事二人。
ひとりは犬を飼っており、もうひとりは家族持ち。
それを仕事をするには不利のような描写がある。

事件を追うたびに出会う人たちはみな、
孤独に生きる事の幸せを語ったりする。

押井監督は次回作『スカイ・クロラ』で
前言撤回のように「家族を持とう!』と急に言い出す。

昭和時代のアニメ作家は、反骨精神の人が多く、
当時も「オレは結婚なんてしない!」といっていた人も多い。
だが実際のところ、みんな収まるところに収まって、
「なんだよあいつ」と言われている人がほとんど。

結局ポーズでカッコつけた発言をするのですが、
実生活はいたって不通の人なのです。

しかし今はみんな結婚もしない。
恋人すらもつくらない。

昭和のアニメ作家たちは、
自分の部下たちが
いつまでもスタジオで仕事ばかりして、
家に帰らない事に懸念しています。

結局、「みんな結婚しろよ!」と
反骨精神とは真逆なことを言い始めた次第です。

関連記事

『エターナルズ』 モヤモヤする啓蒙超大作娯楽映画

『アベンジャーズ エンドゲーム』で、一度物語に区切りをつけたディズニー・マーベルの連作シリー

記事を読む

『鬼滅の刃』親公認!道徳的な残虐マンガ‼︎

いま、巷の小学生の間で流行っているメディアミックス作品『鬼滅の刃』。我が家では年頃の子どもが

記事を読む

『アリオン』 伝説になれない英雄

安彦良和監督のアニメ映画『アリオン』。ギリシャ神話をモチーフにした冒険活劇。いまアリオンとい

記事を読む

『平家物語(アニメ)』 世間は硬派を求めてる

テレビアニメ『平家物語』の放送が終わった。昨年の秋にFOD独占で先行公開されていたアニメシリ

記事を読む

『かぐや姫の物語』 この不気味さはなぜ?

なんとも不気味な気分で劇場を後にした映画。 日本人なら、昔話で誰もが知っている 『

記事を読む

no image

『東京ゴッドファーザーズ』地味な題材のウェルメイドアニメ

  クリスマスも近いので、 ちなんだ映画をセレクト。 なんでもこの『東京ゴッ

記事を読む

『天気の子』 祝福されない子どもたち

実は自分は晴れ男。大事な用事がある日は、たいてい晴れる。天気予報が雨だとしても、自分が外出し

記事を読む

no image

『カーズ/クロスロード』もしかしてこれもナショナリズム?

昨年2017年に公開されたピクサーアニメ『カーズ/クロスロード』。原題はシンプルに『Cars 3』。

記事を読む

『アドレセンス』 凶悪犯罪・ザ・ライド

Netflixの連続シリーズ『アドレセンス』の公開開始時、にわかにSNSがざわめいた。Net

記事を読む

『aftersun アフターサン』 世界の見え方、己の在り方

この夏、イギリス映画『アフターサン』がメディアで話題となっていた。リピーター鑑賞客が多いとの

記事を読む

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』 こうしてすべてが変わっていく

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』という映

『M3GAN ミーガン 2.0』 ゆるぎないロボ愛よ永遠に

自分はSFが好き。友だちロボットのAIがバグって、人間を襲い出すS

『ナミビアの砂漠』 生きづらさ観察記

日曜日の朝にフジテレビで放送している番組『ボクらの時代』に俳優

『サタンタンゴ』 観客もそそのかす商業芸術の実験

今年2025年のノーベル文化賞をクラスナホルカイ・ラースローが

『教皇選挙』 わけがわからなくなってわかるもの

映画『教皇選挙』が日本でもヒットしていると、この映画が公開時に

→もっと見る

PAGE TOP ↑