「 本 」 一覧
『高慢と偏見(1995年)』 婚活100年前、イギリスにて
ジェーン・オースティンの恋愛小説の古典『高慢と偏見』をイギリスのBBCテレビが制作したドラマ版。なんでもこのドラマの放送時には、そのテレビを観るためにロンドンから人がいなくなったとかまで言われ
『モモ』知恵の力はディストピアも越えていく
ドイツの児童作家ミヒャエル・エンデの代表作『モモ』。今の日本にとてもあてはまる童話だ。時間泥棒たちに時間を奪われた人たちが余裕をなくしていくという物語。 気のおけない身の周りの人たちと過ごす何気
『怒り』 自己責任で世界がよどむ
正直自分は、最近の日本のメジャー映画を侮っていた。その日本の大手映画会社・東宝が製作した映画『怒り』。まさかここまで見応えがある作品だとは思わなかった。自分は本作で音楽を担当している坂本龍一さ
『博士と彼女のセオリー』 介護と育児のワンオペ地獄の恐怖
先日3月14日、スティーヴン・ホーキング博士が亡くなった。ホーキング博士といえば『ホーキング、宇宙を語る』の著書でも有名だ。ALSの博士という、ビジュアル的にもインパクトのある人物だ。SFファ
『ディファイアンス』他力本願ならカタルシス
事実は小説よりも奇なり。 第二次大戦中のナチスドイツのユダヤ人迫害を描いた作品は、ひとつのジャンルといっていいほど近年たくさん製作されている。この映画『ディファイアンス』も、
『やさしい本泥棒』子どもも観れる戦争映画
人から勧められた映画『やさしい本泥棒』。DVDのジャケットは、本を抱えた少女のビジュアル。自分は萌えとかアイドル文化がどうもニガテ。少女が主人公というだけで倦厭してしまうところがある。このジャケットだ
『君たちはどう生きるか』誇り高く生きるには
今、吉野源三郎著作の児童文学『君たちはどう生きるか』が話題になっている。 引退撤回宣言をした宮崎駿監督の新作のタイトルが『君たちはどう生きるか』というこの小説と同名のものらし
『メッセージ』 ひとりが幸せを感じることが宇宙を変える
ずっと気になっていた映画『メッセージ』をやっと観た。人類が宇宙人とファースト・コンタクトを取るストーリーだが、おそろしく地味なSFだ。昨年『ブレードランナー2049』を発表したドゥニ・ヴィルヌ
『惑星ソラリス』偏屈な幼児心理
2017年は、旧ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーに呼ばれているような年だった。子どもの頃から好きな坂本龍一さんの病み上がり復帰作アルバム『async』は「タルコフスキー映画