『千と千尋の神隠し』子どもが主役だけど、実は大人向け

言わずもがなスタジオジブリの代表作。
フランスのカンヌ映画祭や
アメリカのアカデミー賞も穫った名作。
ウチの子どもがアニメーションを観る
国内外比率は圧倒的に海外作品が多い。
本作は確かに名作なのですが、
子どもの目線から観ると怖すぎるらしい。
千尋の経験は戦時下の子どものそれに近い。
感情移入しやすい子ども達からすると、
こんな恐ろしい経験はないのだろう。
若いときの苦労は買ってでもしろというが、
あまりに限度を超えてしまうと、
その人の後の人生に逆効果を与える。
PTSDやトラウマになったりする。
子どもの感性はポジティブで、
どんな逆境も前向きにとらえる強さがある。
そんな明るい子ども達の性格とジブリ作品、
実はあまり相性が良くないように感じる。
ジブリ作品のほとんどが
暗く重いテーマを孕んでいるからだ。
あの『となりのトトロ』でさえ、
郷愁に満ちた大人目線のテーマ。
たまたま子どもも観れただけのことで、
子ども本来の感性とは温度差がありそう。
海外作品のまっこうから明るいスタイルの
アニメーション作品を知ってしまうと、
日本のアニメの暗いことといったらない。
ジブリ作品ですら、
子どもに向いていないとしたら、
日本のほとんどのアニメは、
実は子どもの趣味嗜好とは
かけはなれているのでは?
と疑い始めてしまう。
関連記事
-
-
マイケル・ジャクソン、ポップスターの孤独『スリラー』
去る6月25日はキング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンの命日でした。早いこ
-
-
『うつヌケ』ゴーストの囁きに耳を傾けて
春まっさかり。日々暖かくなってきて、気持ちがいい。でもこの春先の時季になると、ひ
-
-
『ベイマックス』 涙なんて明るく吹き飛ばせ!!
お正月に観るにふさわしい 明るく楽しい映画『ベイマックス』。 日本での宣伝のされかた
-
-
『東のエデン』事実は小説よりも奇なりか?
『東のエデン』というテレビアニメ作品は 2009年に発表され、舞台は2011年
-
-
『ルパン三世 ルパンvs複製人間』カワイイものは好きですか?
先日『ルパン三世』の原作者であるモンキー・パンチさんが亡くなられた。平成が終わりに近づいて、
-
-
『マッドマックス フュリオサ』 深入りしない関係
自分は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が大好きだ。『マッドマックス フュリオサ』は、そ
-
-
『JUNO ジュノ』 ピンクじゃなくてオレンジな
ジェイソン・ライトマン監督の『JUNO ジュノ』は、エリオット・ペイジがまだエレン・ペイジ名
-
-
『ゴールデンカムイ』 集え、奇人たちの宴ッ‼︎
『ゴールデンカムイ』の記事を書く前に大きな問題があった。作中でアイヌ文化を紹介している『ゴー
-
-
『戦場のメリークリスマス』 摩訶不思議な戦争映画
1月17日が教授こと坂本龍一さんの誕生日。 1月18日はビートたけしこと北野武さんの誕生日
-
-
『リアリティのダンス』ホドロフスキーとトラウマ
アレハンドロ・ホドロフスキーの23年ぶりの新作『リアリティのダンス』。ホドロフスキーと言えば
