ピースの1つじゃない『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
『アベンジャーズ2』にあたる『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の公開を前にこれは押さえておかないとと大急ぎで観た。『アベンジャーズ』シリーズはマーベル社の複数のヒーローが集結するオールスターキャストのアクション映画。1作目の時自分は『アイアンマン』しか観ておらず、脇役や敵も他の作品から集結しており、当然知っているだろうの前提で混在してくるので、冒頭部分では設定が把握できず寂しい思いをしてしまった。もうあんな雪辱はあじあうまいと焦って観てしまった。
これじゃあ映画を観るにしてはあまり健康的ではない。純粋に観たいと興味をもっているのではなく、パズルのピースを埋めるがために作品を観ていくのだから、ハズレも覚悟の上。2時間半もある上映時間、ピースにしては大作なので、飽きないかどうか不安も募る。ふたを開けてみると派手なアクションに次ぐアクションで、退屈するどころかお腹いっぱいになるくらい。アメリカの国旗を模した全身タイツに身を包んだマッチョなキャプテン・アメリカは、冷静に考えればこの出で立ちはドへンタイそのもの。そんなところにひっかかってニヤニヤする間も与えず、スリリングな展開。メインキャラクターが途中で撃たれて死ぬが、次回作のポスターには彼はいる。またぞろどうやって生き返るのかと、そんな理屈っぽい見方はまったくもって邪道。純粋にアクションに身を任せるべし。久しぶりに頭空っぽに楽しめた。
なんとか『アベンジャーズ2』公開前に本作を消化した達成感もあり、充実した映画鑑賞。さあどのキャラクターがでてきてももう大丈夫!!
こういったシリーズものの見せ方はとても珍しく、関連作どれも手を抜く事がないという徹底ぶり。マーベルもディズニー傘下になって、作風が派手になった。アベンジャーズプロジェクトが、はじめから世界で大ヒットさせるという結果ありきでのビッグバジェットで作っているその自信がすごい。何があっても儲かるぞという攻めの姿勢。この『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』だって『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に帰結するまでのパズルのピースにしてはとても豪華な作品に仕上がっている。でもこのシリーズ、毎回次回へ続くで終わるので、なんとなくスッキリしない観賞後感は否めない。
しかしロバート・レッドフォード、年をとったなぁ〜。
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