*

『ツレがうつになりまして。』鬱を身近に認知させた作品

公開日: : 最終更新日:2019/06/15 ドラマ, 映画:タ行,

 

鬱病を特別な人がなる病気ではなく、
誰をもいつなりうるか分からな事を
世間に広めるきっかけになった作品でしょう。

原作者の細川貂々さんは自分と同年代。
フリーランサーである自分にとって、
かなり近い存在でもある。

細川貂々さんのご主人であるツレさんが
鬱病になった闘病記を綴ったコミックエッセイ。

このコミックエッセイに描かれていることは
とても悲惨で、ご夫婦のご苦労がうかがえます。

それを軽いタッチのマンガと言う表現で、
マイルドにコメディとして伝えたところに
この作品の価値があると思うんですね。

人間はどんなにつらい状況におかれても、
ユーモアのセンスをなくしてしまっては終わりです。
つらくても笑い飛ばす。これが大事。

さらっと描いているエピソードの数々、
実際は大変だったのであろうことがうかがえるのです。

この作品はドラマや映画になりました。

ドラマはNHKで藤原紀香さんと
原田泰三さんがこの夫婦を演じました。
鬱病を柔らかい作風で、
マンガ表現でオブラートにくるんで伝えた本作。
あらためて人が演じてしまうと、
悲惨な状況しか伝わりませんでした。
難しいです。

映画は宮崎あおいさんと堺雅人さんが夫婦役という
NHK大河ドラマ『篤姫』コンビ。
この二人が主役になった事で、
かわいくてオシャレな夫婦像の
モデル映画みたいになりました。

鬱を扱うというよりは、
「夫婦っていいよね」みたいな映画になりました。

監督は佐々部清さん。『夕凪の街 桜の国』など、
原作の本来の主題をすぎかえて
映像化してしまう監督さんなので
仕方ないかもしれません。

ウチでは夫婦でこの映画を鑑賞しましたが、
ふたりで「なんか違うね~」と語り合ったものです。

いま、原作がヒットしたら
すぐ映像化してしまう傾向があります。

本当にその作品を愛していない人たちの手によって
どんどん元と違うものが生まれて行くのは、
果たしてどんなものかといぶかってしまいますね。

関連記事

『白洲次郎(テレビドラマ)』自分に正直になること、ズルイと妬まれること

白洲次郎・白洲正子夫妻ってどんな人? 東京郊外ではゆかりの人として有名だけど、恥ずかしながら

記事を読む

『チェルノブイリ』 あれ、みんな英語しゃべってる?

先日、福島で震度6強の地震があった。311の東北震災から、もうすぐ10年が経とうとする矢先の

記事を読む

no image

イヤなヤツなのに魅力的『苦役列車』

  西村堅太氏の芥川賞受賞作『苦役列車』の映画化。 原作は私小説。 日本の人

記事を読む

『THE FIRST SLAM DUNK』 人と協調し合える自立

話題のアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』をやっと観た。久しぶりに映画館での

記事を読む

『サタンタンゴ』 観客もそそのかす商業芸術の実験

今年2025年のノーベル文化賞をクラスナホルカイ・ラースローが獲得した。クラスナホルカイ・ラ

記事を読む

『マグノリアの花たち』芝居カボチャとかしましく

年末テレビの健康番組で、糖尿病の特集をしていた。糖尿病といえば、糖分の摂取を制限される病気だ

記事を読む

no image

『リング』呪いのフォーマットは変われども

『リング』や『呪怨』を作った映画制作会社オズが破産したそうです。 そういえば幼稚園頃の娘が「さ

記事を読む

no image

『マルモのおきて』育児は楽しい事ばかりじゃない

  先日も新作スペシャル版が放送されていた 『マルモのおきて』。 芦田愛菜ち

記事を読む

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』これからのハリウッド映画は?

マーベル・ユニバース映画の現時点での最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をやっと

記事を読む

no image

儀式は人生に大切なもの『ディア・ハンター』

  マイケル・チミノ監督の ベトナム戦争を扱った名作『ディア・ハンター』。

記事を読む

『フランケンシュタイン(2025年)』 生きることを生きること

2025年、ギレルモ・デル・トロ監督によって『フランケンシュタ

『劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」』 イベントムービーの心得

我が家では自分よりも家族の方が『呪術廻戦』が好き。その『呪術廻

『ウィキッド ふたりの魔女』 陰惨な世界を軽やかに歌い上げよう

観るべきかやめるべきか迷っていた映画『ウィキッド ふたりの魔女

『ひらやすみ』 とがって、たたかれ、まるくなり。

2025年の冬、自分のSNSのタイムラインでは『ひらやすみ』と

『プレデター バッドランド』 こんなかわいいSFアクション映画が観たかった

『プレデター』の最新作が公開される。近年日本では洋画が不人気。

→もっと見る

PAGE TOP ↑