*

『ベルリン・天使の詩』 憧れのドイツカルチャー

公開日: : 最終更新日:2021/09/17 映画:ハ行, 音楽

昨年倒産したフランス映画社の代表的な作品。
東西の壁がまだあった頃のドイツ。ヴィム・ヴェンダースの名作です。

自分はリアルタイムでハイティーンの頃、この映画を観ましたが、とにかく雰囲気が大好きでした。この映画で紹介されるドイツカルチャーがとてもクールに感じました。ドイツ人は一般の人もこんなにカッコいい音楽を普通に聞いてるのかしらと思ったら、とても羨ましく感じました。ニック・ケイブのライブシーンとかめちゃくちゃカッコいいんです!!

この映画はハリウッドで『シティ・オブ・エンジェル』としてリメイクされたけど、こちらはどうもよろしくなかった。ヴェンダース監督で続編『時の翼にのって』がつくられたが、ハリウッドを意識しすぎて、それも中途半端な作品になってしまっていた。こちらもよろしくない。U2をはじめとするサントラの豪華さも悲しさを増した。
ヴェンダースは『ベルリン・天使の詩』ぐらいの頃がもっとも絶好調だったみたい。最近もダンサーの映画『Pina』をつくったけど、もうアート映画の時代じゃない。

ドイツは老成した国だと聞きました。とにかく子どもがいないといいます。子どもがいても、なんだか大人びていて、無邪気さがないと感じるらしいです。日本が大の大人がアニメやマンガ、ゲームに夢中になったり、アイドル追いかけたりする幼稚な国だとするならば、全くの逆で老人しかいない。

極端に幼稚なのも老成してるのも感心できるものではない。多分自分は、この幼稚な文化の日本に辟易していたからこそ、ドイツ文化に新鮮な魅力を感じたのかもしれません。

まあ無い物ねだりですけどね。

関連記事

no image

『オネアミスの翼』くいっっっぱぐれない!!

  先日終了したドラマ『アオイホノオ』の登場人物で ムロツヨシさんが演じる山賀博之

記事を読む

『はじまりのうた』 音楽は人生の潤滑油

この『はじまりのうた』は、自分の周りでも評判が良く、とても気になっていた。当初は「どうせオシ

記事を読む

『めぐり逢えたら』男脳女脳ってあるの?

1993年のアメリカ映画『めぐり逢えたら』。実は自分は今まで観たことがなかった。うちの奥さん

記事を読む

『ピーターラビット』男の野心とその罠

かねてよりうちの子どもたちがずっと観たがっていた実写版映画『ピーターラビット』をやっと観た。

記事を読む

『トップガン』カッコいいと思ってたけど?

「♪ハーイウェイ・トゥ・ザ・デンジャゾーン」風にのって歌が聴こえてくる。これは……、映画『ト

記事を読む

『RRR』 歴史的伝統芸能、爆誕!

ちょっと前に話題になったインド映画『RRR』をやっと観た。噂どおり凄かった。S・S・ラージャ

記事を読む

『不適切にもほどがある!』 断罪しちゃダメですか?

クドカンこと宮藤官九郎さん脚本によるドラマ『不適切にもほどがある!』が、放送開始とともに大き

記事を読む

no image

戦争は嫌い。でも戦争ごっこは好き!! 『THE NEXT GENERATION パトレイバー』

  1980年代にマンガを始めOVA、 テレビシリーズ、劇場版と メディアミック

記事を読む

『わたしを離さないで』 自分だけ良ければいい世界

今年のノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ原作の映画『わたしを離さないで』。ラブストーリ

記事を読む

no image

『2つ目の窓』死を意識することが、本当に生きること

  河瀬直美監督の自信作ということで、 カンヌで受賞を目指した作品。 受賞こそは

記事を読む

『新幹線大爆破(Netflix)』 企業がつくる虚構と現実

公開前から話題になっていたNetflixの『新幹線大爆破』。自

『ラストエンペラー オリジナル全長版」 渡る世間はカネ次第

『ラストエンペラー』の長尺版が配信されていた。この映画は坂本龍

『アドレセンス』 凶悪犯罪・ザ・ライド

Netflixの連続シリーズ『アドレセンス』の公開開始時、にわ

『HAPPYEND』 モヤモヤしながら生きていく

空音央監督の長編フィクション第1作『HAPPYEND』。空音央

『メダリスト』 障害と才能と

映像配信のサブスクで何度も勧めてくる萌えアニメの作品がある。自

→もっと見る

PAGE TOP ↑